シュナイツァー「さて、下地を整えるのもこのくらいでいいだろう」
シュリッツ「なびく者、息を潜める者、抗う者……この国の暗部もだいぶ動揺してきたな」
夏木「≪桜花≫は暗殺部隊の稼働率を上げたね。こちらに恭順した連中を薙ぎ払いたいみたい」
シュナイツァー「《SS》という大組織の後ろ盾を得た奴らは得意になって蠢き出すからな」
シュリッツ「正確には“後ろ盾を得たと思い込んだ連中”だがな」
夏木「腹黒ー」
シュナイツァー「日本人のくせにミもフタもない言い方をするのはよせ、ナツキ」
夏木「本当のことでしょ。ああ面倒くさい。≪桜花≫が目障りなら最初っから直接桜狩りすればいいのに」
シュナイツァー「ま、園主のご意向ってやつだ。どうせ手に入れるなら綺麗に掃除された別荘がいいんだろう」
シュリッツ「程度問題だと思うがな。だが北欧諸国のとき、門下に降ったはずの手駒が二心を持っていたとかで、結構な騒ぎが起きたもんな。懲りたんだろ」
シュナイツァー「そう簡単に掌返すような輩を重用してはならん。当然だ」
夏木「で、傘下に組み込むのは生き残った者だけってわけね。ああ、まだるいー」
シュナイツァー「じゃあ≪桜花≫とその他の目ぼしい組織は全て殲滅させるか? 一人残らず抹殺するなら後腐れの心配をせずに済むぞ」
シュリッツ「その戦略なら主導者はナツキになるな。あんたの能力ならいくら闇討ちしようが物的証拠は残らない」
シュナイツァー「だな。多少の叱責は覚悟でやってみるか?」
夏木「……面倒くさいから嫌」
END