6周年記念

中央棟・132会議室にて (6)


──12.嫌いな人間のタイプを教えて下さい。老若男女問わず。

エルガー「噂話で他人を判断する奴」

アリア「それは確かにヤだね」

セレシアス「『火のないところに煙は立たない』とは言うが、そうとも限らないんだよな……」

エルガー「だろ? オレだってこう見えても噂話には迷惑してるんだぜ。人の陰口を吹聴して喜ぶような人間にだけはなりたくねェな」

アリア「うんうん。賛成〜」


──13.世の中には二種類の人間がいます。どんな人間ですか?

エルガー「なあ、これまだ続くのか? オレもう飽きた」

アリア「飽きっぽいね〜。でもまだ質問は半分も終わってないみたいだよ?」

セレシアス「少し休憩入れようか」

エルガー「賛成〜」

アリア「あたしの口真似しないでよぅ」

エルガー「へん、似てただろ?」

セレシアス「そっくりだった。エルガーは観察眼が鋭いんだな……」

… 休憩中 …


アリア「えーっと。二種類の人間って……男性と女性?」

エルガー「話せば分かる奴と、話しても分からねェ奴」

セレシアス「なるほど、どちらももっともだな……」

エルガー「アンタはどう思うんだ?」

セレシアス「そうだな……自分や周囲のことが見えている者と、見えていない者、かな」

エルガー「ふゥん。同じ人間でも、時と場合によってはどちらにもなり得るな」

セレシアス「人は変わる。揺れ動く。それが自然な姿だろう?」

エルガー「言えてらァ」

アリア「う〜。この話、ついていけない……」


──14.これまでの人生で影響を受けた人はいますか? どのような意味でも構いません。

セレシアス「さっきも言ったけど、俺はアリアのおかげで目が覚めたんだよ。その……感謝、してる」

アリア「うー。なんだろ。セレス君がそう言うならそうなんだろうけど、でもなんかこそばゆい〜」

エルガー「影響、ねえ。そのおかげでオレがハーラルであんなに苦労しなけりゃならなかったってわけか」

セレシアス「うっ。そ、その節はどうも……」

アリア「えーっとエルガーは? 影響の良し悪しはこの際問わないことにして」

エルガー「この際とはなんだ失敬な。悪影響なら受けるよりもむしろ与えるほうだっての」

セレシアス「それもどうかと思うぞ……」

エルガー「強いて挙げるなら……そうだな、ノエルあたりかもな。軍にいた頃の知り合いで、研修医だった奴」

アリア「ふむふむ。仲良い人?」

エルガー「鈍くさくてしょーがない専門馬鹿なのに、なんでかウマが合ったんだよなァ。今頃どこでどうしてるのかは知らんが、きっと一人前になっただろ」

セレシアス「軍で研修医って、軍医の卵ってことか」

エルガー「ああ。ちょっと風変わりなお嬢さんだったんだよ。貴族の跡取り娘なのに軍医志望だってんだからな」

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アリア「へえ……! すごいね。格好いいなぁ」

エルガー「で? アンタは?」

アリア「う。うーん……うーん……。保留にしといてくれる?」