先週も遅刻しちゃったばっかりだし、これ以上回数が増えるのはさすがにまずいでしょ。内申書にも響くし。とりあえず走ろう!
覚悟を決めて走り始めた途端、こめかみのあたりに不穏な気配がたちこめる。疼痛というより、もっとはっきりとズキズキする痛み。
うう、しかも気持ち悪い。息が切れて、胸が苦しくなってくる。
情けないなあ。あたしときたら、なんだってこんなにひ弱なんだろう。もやしっ子と罵られても言い返せないや。
ともかく気力を振り絞って懸命に足を動かし続けて、ようやっと校門前にたどり着く。
辺りはがらんとしていた。登校のピークを過ぎて、あらかたの生徒はもう教室にいるんだろう。そりゃそうか、予鈴がとっくに鳴っている。
ケータイの背面ディスプレイを覗く。あと三分。早く教室に入って自席につかないと遅刻になってしまう。
でも……、うー、目が回るぅぅ。
急に走ったせい?
立ち止まって息を整えてもまだ目の前がぐらぐらして、胸のあたりがすごく、気持ち、悪い……。
⇒ (1) 保健室に行こう
⇒ (2) とりあえず教室へ